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想像ではなく現実。外反母趾にワラジや草履で改善を謳わない真っ当な理由

こばです!


最近、よく頂く質問に


外反母趾にワラジや草履って最高だと思うのですが どう思いますか?

という欲しい答えを前面に出したものがあります。

理由の多くは


・ 足の趾を使うので趾の筋肉が鍛えられて外反母趾の改善・予防になる


というものがほとんどでした。

確かにその理由は最もであり、多くの方が辿り着く思考の1つだと思います。 わたしは、少しでも良い方向に導く可能性を考えるととても良いと思います! しかし、外反母趾の歴史を紐解き歴代のお客様の事を考えていくと、そうではない可能性が非常に高く思えてしまいました。ですのでわたしは


ワラジや草履に外反母趾の改善を求めるのは難しい

という風に考えています。


それをざっくりとお伝えしたいと思います。


ワラジや草履に外反母趾の改善が難しい3つの理由

1 幼少期からワラジや草履で生活をし続けているお客様に外反母趾で悩む方が多い

2 【外反母趾】という言葉が入ってきたのは昭和30年代

3 そもそも【足の傾き】が原因


1 幼少期からワラジや草履で生活をし続けているお客様に外反母趾で悩む方が多い


ありがたい事に全国からインソールの加工調整のご注文を頂いております。 その中には


・昔から格式高い料亭で働かれているお客様

・老舗の着物屋さんで、ワラジや草履を履き続けているお客様

・京都の祇園にて伝統的な履物を生まれた時から履いていらっしゃるお客様


など、ワラジや草履、下駄や雪駄などを数十年、長い方は50年以上履き続けている方もいらっしゃいます。そして、その方々の多くは【外反母趾でお悩み】でした。


また、その方々と同じ職場の方をご紹介して頂く事が多いのですが やっぱりお悩みの多くは外反母趾でした。


足の指を使う履物が外反母趾を改善・予防するのであれば

とても奇妙な話です。イレギュラーな事が連発しているのです。


この事から【ワラジや草履に外反母趾の改善は難しい】のかなと思えてしまいます。


2 【外反母趾】という言葉が入ってきたのは昭和30年代


外反母趾という言葉の歴史は浅く、おおよそ昭和30年代に入ってきた言葉だと言われています。つまり、それまでは足の親指が変形していたとしても【外反母趾を表す言葉がなかった】のです。


状態を表す共通の言葉がないのであれば、対処法が確立しにくいと思います。 また、寿命も影響しているように思います。


アシックススポーツ工学研究所が

日本人を中心に約100万人の足形データをもとに歩き方を研究した 「究極の歩き方」という本があります。


それによると、「50歳を堺に日本人の歩き方、足形が激変している」そうで

とくに、外反母趾の角度が男女ともに50代から急激に大きくなるそうです。


そして、見て頂きたいのが厚生労働省発表の平均寿命一覧表



ご覧の通り、年々寿命が伸びているのが分かりますね!

ただ、1947年の平均寿命を見ると男女ともにおおよそ「50歳」となっています。


50歳を堺に足の変化が現れやすい

1947年の平均寿命は50歳

おそらくそれ以前の平均寿命はもっと低い


この事から、 1947年までは足の変化が起こりやすい50歳になる前に亡くなる方が多く、 外反母趾という概念があったとしても認知されにくい環境だった


=昔は外反母趾が少なかった

という流れになったのかな